どうも、ドンビボ TKC(@dbbdontbebo)です。
タンクブロメリアという植物をご存知ですか?
正直なところ、私自身、最近までこの植物のことを知りませんでした。その存在を知ったのはNHKの番組「趣味の園芸、これかっこイイぜ」の着生植物特集を通じてです。タンクブロメリアのユニークなビジュアルと「土を必要とせず、水をタンクに貯め、そこから栄養を得る」という独創的な生存進化に、植物=土という固定観念が木っ端微塵。
こんなカッコイイ植物があるなんて!すぐに欲しくなり、お迎えしました。
タンクブロメリアとは、熱帯エリアに生息する着生植物で、筒状に葉を形成し、その筒(タンク)に水を貯めます。宿木の老廃物や雨水から栄養を得て成長する、葉の色や模様が独特かつ派手で唯一無二の存在。しかし、意外と知名度は低いようです。
普通のお花屋さん、ホームセンターで取り扱ってる数は少なく、大きめの専門店や珍奇植物ショップなら手に入ると思います。地元の大型園芸店ではベテラン鉢が多数鎮座しており、私が知ったのが最近なだけで、昔から観葉植物として楽しまれていたようです。
ウン万円から1,000円以下のお手頃価格まで幅広く
今回は、最近ハマっている植物シリーズ第二弾として「Tank Bromeliads (タンクブロメリア)」を紹介します。
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タンクブロメリアの種類
ブロメリアはパイナップル科植物の総称で、中でもタンク型のしているものを「タンクブロメリア」と呼びます。地面に根を張らずに、他の植物の表面に張り付けて宿主の木の老廃物を上手に吸収したり、木を伝って落ちてくる雨水や木もれ陽で生きている着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)です。
そんな植物版の寄生虫みたいなタンクブロメリアにはネオレゲリア、ビルべギア、エクメアなどいくつか品種があり、葉の形や色の特徴があります。熱帯~亜熱帯アメリカが原産で、園芸品種も多数あり、ちなみに、品種だけで4,000種類以上あるらしいです。ショップで出会う個体もまさに一期一会。南米あたりでは見つかってない新種もまだまだありそうです。
専門家ではないので、自分が育ててるものをベースに紹介しますね。
ネオレゲリア Neoregelia
ネオレゲリアは派手めの色が多く、花のように展開するやや小型で1番普及してるタンクブロメリア。色鮮やかでインテリアとしてアクセントにもなり、コレクション欲も満たしてくれます。子株もけっこう出てくるので、アガベなど多肉植物が好きな人はネオレゲリアも気に入るかも。
プンクタティシマ イエローフォーム
虎柄のような模様の葉を持つ。湯呑み型の樹形でコンパクト。一番最初に購入したタンクブロメリア。理由は子株がついててお得と感じたので。。。猛暑で子株は消え、この春2つ子株が芽生える。ウチのはそこまで黄色くない。
ファイヤーボール
グーリンベースに赤を乗算で乗せたような鮮やかな葉を持つタンクブロメリア。最も普及している品種で、ショップで良く見かける。個体差もあると思うが、生育速度は早く、我が家のファイヤーボールは1年で子株3つ発生。
ルビースロート・ミュータント
赤のスプラッシュが入った美しいビジュアルと子株付きだったのが気に入って購入。
リトルフェイス
葉先がピンクに染まる上品で美しいネオレゲリア。葉の数が多く、どこかエケベリアっぽい雰囲気。
ビルベルギア Billbergia
ビルベギアは棘のある細身の葉で細身の筒を形成。チューリップくらいの背丈でネオレゲリアより大きめです。園芸品種が多く普及してるようで、品種名が人為的につけられたものが多くい印象。
ビルベルギア ダースベイダー
黒い葉にシマシマとランダムに入ったぼやっとした斑点が、暗黒宇宙をイメージということでしょう。外葉と内葉で2つの模様が両立してるのも珍しく、人気の園芸品種。やや赤茶色なんで、これから屋外へ管理になるので、もっと黒くなるのかな?
オビワンという仲間品種もあります。
なお、私はスター・ウォーズは見たことない。
ビルベルギア テキーラサンセット
グリーンと赤(ピンク?)のグラデーション、白いスポットが美しい。カクテルが名前の由来となっている園芸品種。
なお、私はお酒を飲みません。
エクメア Aechmea
エクメアは一株しか持ってまいない&買ったばかりなので深く語れないが、一枚一枚の葉も大きく、筒も立派。どこに置いても、どんな鉢にも合いそうな見栄えがあるため、インテリアとしても楽しめそうです。
エクメア チャンティニー ブラックセレクト
ブラック&ホワイトのゼブラカラーの特徴的な葉が気に入って購入。セールで少しお得に手に入れたが、我が家で三番目に高い植物。
外管理にしたので黒みが増すのか楽しみ。
ケスネリア Quesnelia
葉の先が外巻きにカールしてる個性的なビジュアルの品種。
これはまだ持っておらず、出会い待ちですね
タンクブロメリアの育て方
ネオレゲリア、ビルベルギア、エクメアと紹介しましたが、基本的に育て方は同じです。品種によって、若干の違いはあれど大きくは変わりません。とはいえ、その種類や環境条件によって異なるため、特定の植物についての詳細を知りたい場合は、その種類に特化したケアガイドを参照することをオススメします。
\タンクブロメリアに限らず、この1冊があれば安心です!/
タンクブロメリアの1年
0 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生育状態 | 生育停滞 | 生育 | 生育停滞 | |||||||||
置き場 | 屋内 | 移行期 | 屋外(真夏日は直射NG) | 屋内 | ||||||||
水やり | 控えめ | 多め | ほぼ毎日 | 多め | 控えめ | |||||||
植え替え | できる | 最適 | やめとく | できる |
成長期
春から夏にかけて最も活発に成長し、新しい葉を展開します。この時期は天気・気温によってタンクの水量変化が大きく、状況に応じて水やり回数を調整し、水やりを週イチの時もあれば、2日に1回の時もあります。
8月の猛暑は危険で、直射日光と水切れ厳禁です。室内にいれるのが無難。
休眠期
冬に入ると成長が遅くなるまたは完全に止まります。休眠期間中は、水やりを控えめにし、タンクに常に少量の水がある状態を保つようにしていました。タンクには水を入れず、根に水を与える越冬方法もあるみたいです。ウチは寒い日でも15℃くらい保てる簡易温室で育てていたので、水を貯めるやり方で越冬しました。
水があるかないかを見て判断できるので、水やりの悩みは不要です。
タンクブロメリアの用土
基本、土は不要です。水苔やベラボンに植え付けます。土でも育ちそうではある。
肥料も不要。購入店で用土に栄養がありすぎると、葉の発色が落ちると教わったので、ビカクシダや食虫植物の使用済み水苔に植え付けています。
水苔だと水持ちが良すぎるので、根腐れさせないためにベラボンにするのがトレンドのようです。
タンクブロメリアの置き場所
置き場所:明るい日陰
明るい日陰ってなんやねん!という感じですが、朝だけ日光に当たる半日陰のような場所がベスポジなんでしょう。ウチは南側ベランダに置いてます。ほんとは日の入る壁際に置きたいが、そうなると視界から消え、楽しみ半減するのでほぼ日陰の状態になってます。
当然、風もあったほうがよい(ないとダメ)が、幸い我が家のベランダは年中強めなので、風の心配はない。むしろ爆風の時の方が心配です。
2023年の夏は、この場所で出しっぱなしにしてたプンクタティシマ イエローフォームの子株が枯死。
冬は室内で、LEDライトをあててました。大きく成長するようなことはなく、春の目覚めが他の植物より早かっやかも?くりの印象。
40℃近い日は取り込んだほうが無難かもしれません。
タンクブロメリアの水やり
タンクブロメリアは、その名の通り、葉が重なり形成される中央の「タンク」に水を貯めています。屋外管理の生育期はこのタンクが空にならないように、週に1〜2回水を注いでいます。古い水は一度捨てるか、新しい水で溢れる(オーバーフロー)ように注ぎます。
タンクを覗き込む習慣ができると、そう簡単には枯らすことはないです。
ハイポ、リキダスなどドーピングも不要です。
タンクブロメリアの生育温度
熱帯植物のわりに寒さに強め(のようです)。一年中屋外でも枯れない個体もあるらしい。
というのも国内で流通してるものは国内生まれが多いらしく、5℃くらいまではギリギリ屋外オッケーみたいです。一般的には10℃くらいと言われているんで、お気に入り品種は先に取り込んでおきましょ。
タンクブロメリアの植え付け
根が発達してないがゆえ、鉢の大きさは小さめが良い。なんとも頭でっかちのバランス。
コルクなどに植え付けも可能で、ハンギング仕立てることも対応可。敬愛する熱帯植物栽培家の杉山さんは様々なメディアで着生植物の寄せ植えを提案しており、いつか実践するつもりですが、熱帯植物を増やすのは冬場のスペース確保のことが頭によぎり、なかなか手が出にくい。。。
トラブルシューティング
購入する時の注意点
タンクブロメリアは晩春から夏にかけて筒から花を咲かせます。きれいな花らしいので、一度は咲かせてみたいものです。
ただし、タンクブロメリアは一度花を咲かせると枯れてしまいます。アガベと同じで、花を咲かせるのは生涯で一度だけ。花を咲かせた株からは子株が出て、その後枯れてしまいます。、。
ですので、ショップで花が咲いている、咲きそう、咲いた後の株を購入する際は注意が必要です。子株があったとしても成長するまでには時間がかかるため、枯れる覚悟で購入する場合はそれを見越して購入しましょう。
鉢が軽すぎて飛んでいく
これはウチだけの問題なのかもしれませんが、土を使わない&小さめの鉢なので風が強い日に鉢ごと飛んでいったり、倒れたりします。それも頻繁に。そうなると筒の水もこぼれてしまうわけで…。、倒れ防止になるよう、二重鉢や重いモルタル鉢にするなどやり過ごしてます。 抜本的な改善に至ってないので、早めに対策をせねばなりません。
なんか良い方法ないかなー
インテリアとしてのタンクブロメリア
タンクブロメリアは用土を必要としないため、流木やコルクなどに着生させることが可能です。ハンギング仕立てなら、植物が自然界で見られるような状態で鑑賞することができ、鉢スペースがない人にもオススメです。
同じものが二つとない唯一無二のインテリアとしてひと味違う魅力を放ちます。
また、水はけをそこまで気にしなくて良いので、鉢底の穴がないもしくは小さな穴しかないオシャレ系の植木鉢に植え付けるのも良さそうです。
タンクブロメリア着生DIY
ということで、タンクブロメリアを流木やコルク板に着生させる方法を紹介します。
部材も工具もだいたい100均で入手可能です。作業時間は植え替え込みで30〜60分と手軽に作れます。
- タンクブロメリア(例:ビルベルギア ‘テキーラサンセット’)
- コルクなど着生させるもの
- 水苔
- 糸
- アルミワイヤー
- ハサミ
- ペンチ
タンクブロメリアを鉢から取り出す。根元の土を可能な限りきれいにするのが理想だが、多肉植物の様に根が強くないので、触りすぎないのがベター
根を水苔で包み、保湿が得られるようにします。根むき出しでもいけるかもですが、着生まで時間を要しそう。
ダイソーの透明ミシン糸でぐるぐる巻きにします。
水苔で包んだ根をコルク板や流木に置き、しっかりと固定します。今回は流木?枯れ木に着生。
ダイソーの透明ミシン糸でぐるぐる巻きに。
アルミワイヤーを使ってハンギング用のフックを作り、吊り下げられるようにします。
穴を開けても良いが、今回はぐるぐる巻きに。植物の向きや位置を調整し、自然な見栄えになるようにセットします。
タンクの水がこぼれないように角度に注意
完成後のケア:水切れ注意
- 直射日光を避けた明るい場所に吊り下げます。
- タンクが空にならないよう、週1〜2回お水を注ぎます。
- 環境によっては、週に1回以上の霧吹きで湿度を保つことが重要です。
鉢植えと着生では生育スピードが変わるらしく、大きく育てたい方は鉢植え、コンパクトに引き締めて育てるなら着生がオススメです。
本当に簡単なのでぜひ、実践してみてください!
まとめ〜水やりの失敗がない観葉植物タンクブロメリア
初心者から上級者まで楽しめるタンクブロメリアは、もう少し人気が出ても良さそうなものですが、日本ではかなりマイナー植物です。ユニークな見た目で育て方が分からないのかもしれません。あと品種がやたら多い&見た目が似てて違いが分からないので、選び方も難しいかもしれません。
実際に育ててみると、タンクブロメリアは手がかからず、そのユニークな生態と美しいビジュアルで、空間に彩りを加えることができます。
私は見た目と直感で植物を選んでいるだけの素人で、私ごときのオススメでタンクブロメリアの魅力がすべて伝わったとは思いません。もし興味を持ったら、ぜひ一度手にとって見てください。きっとタンクブロメリア沼、いや小さい池にハマると思います。